2月23日(月)、テヘラン大学建築学部において、バム地震10周年を記念して、3Dを使用したバム遺跡修復に関するセミナーが開催されました。同セミナーには、千葉公使、小野国立情報学研究所名誉教授、ベヘシュティ・イラン文化遺産・観光・手工芸庁顧問、アジジ・テヘラン大学芸術・建築学部長等が出席しました。また、同セミナーと並行して、同建築学部併設のテヘランギャラリーにおいて、3Dで復元したバム遺跡のパネル展が開催されました 。
同取組みは国立情報研究所のデジタルシルクロードプロジェクト(DSR)の一環であり、10年前の地震で大きな被害を受けた世界遺産・バム遺跡を3D技術により精巧に復元し、震災前のバムの姿を再構築しています。さらには、バム遺跡復元のための設計図としても使用可能な技術です 。
DSRの詳細(国立情報学研究所内ホームページ)
http://dsr.nii.ac.jp/
(参考)
バム地震は2003年12月に発生し4万人以上の人々が亡くなりました。日本政府は地震発生後すぐに、国際緊急援助隊の派遣、緊急援助物資の供与、緊急無償資金協力を実施。国際協力機関(JICA)は被害調査団を現地に派遣し、その調査に基づき排水管敷設事業、イランの地震対策専門家の日本への招聘等を実施しました。バム遺跡修復に関しては、日本政府は国連が発表した緊急アピールを踏まえ、ユネスコ文化遺保存日本信託基金を通じ、イラン文化観光手工芸庁に総額50万ドルを拠出。2009年まで専門家派遣や、バム遺跡の運営支援のプログラムを実施すると共に、1億1,200万円を限度とする額の文化無償資金協力を行い、足場やフォークリフト等の遺跡修復機材を提供する等、現地のニーズに沿った支援を行ってきました 。 |