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20日付「IRAN」紙によると、クリミア・コンゴ出血熱の患者が当国東部県(ホラサン、シスタン・バルチェスタン)において発生し、2名が死亡、100名ほどの人々がその疑いにて治療を受けているとの情報がありました。
これについて当国保健省に確認したところ、東部県を中心に流行があることが認められました(テヘランでの患者発生は未確認)。
クリミア・コンゴ出血熱は、マダニ(Hyalomma属)により牛、羊、ヤギなどの哺乳動物からヒトに感染するウイルス性の感染症です。クリミア・コンゴ出血熱ウイルスはアフリカ大陸から東欧、中近東、中央アジア諸国、中国西部にかけて広く分布しています。
イランでは1978年にホラサン県で初めて確認され、以来毎年初夏の時期を中心に50~250人の患者(疑いを含む)が報告されています。
クリミア・コンゴ出血熱ウイルスのヒトへの感染経路には、
(1)感染マダニに咬まれたりダニをつぶしたりして感染ダニから感染する経路
(2)感染動物の血液や組織と接触して感染する経路
(3)感染者や患者の血液、血液の混入した排泄物、汚物などに接触して感染する経路
があります。
つまり、流行地の羊飼い、キャンパ-、農業従事者、獣医師等家畜などのダニと密接に接する人や、病院でこの病気の患者に接する医療関係者、および介護にあたる家族などはクリミア・コンゴ出血熱ウイルスに感染する危険性の高いグループと考えられています。院内感染も時に起きることがあります。
症状としては、2~9日の潜伏期間の後、突発的に発熱、頭痛、筋肉痛、腰痛、関節痛などの症状がみられ、重症化すると種々の程度の出血がみられます(点状出血から大紫斑<しはん>まで)。重症例では肝腎不全と消化管出血をおこして死亡する確率が15~40%と高く、なるべく早い時期に診断され、治療を受けることが重要です。
確実な診断のために最も重要なことは、発症1週間以内に血液検査で血液中のウイルスを見つけることです。この病気が疑わしい場合は、すぐに医療機関に相談して下さい。
特別に有効な治療法やワクチンはありませんが、治癒例では特に後遺症はみられません。
感染予防には感染したヒトや動物の血液、あるいはそれが混じった排泄物などに触れないこと、きちんと検疫をされていない生肉を扱ったり、生で食したりしないことが重要です。また、ダニの生息する森林地帯などに入ることは避ける;そうした地区へ入る際にはダニにかまれないように、長袖・長ズボン、DEET (ディート: N,Nジエチル-m-トルアミド)を含む適切な昆虫忌避剤の塗布、スプレーを使用することが重要です。
<参照ホームページ>
クリミア・コンゴ出血熱に関する情報は下記のホームページをご参照下さい。:
1.国立感染症研究所感染症情報センターのホームページ:
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k02_g2/k02_31/k02_31.html
2.厚生労働省のホームページ「夏休み期間中における海外での感染症予防について」:
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou27/100713-1.html#1-5
3.厚生労働省検疫所FORTHホームページ「感染症についての情報」:
http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name38.html
4.世界保健機関 (WHO) のホームページ(英文)「Crimean-Congo haemorrhagic fever (CCHF)」:
http://www.who.int/csr/disease/crimean_congoHF/en/
5.アメリカ疾病管理予防センター(CDC)のホームページ(英文):「Crimean-Congo Hemorrhagic Fever」
http://www.cdc.gov/ncidod/dvrd/spb/mnpages/dispages/cchf.htm
(問い合わせ先)在イラン日本大使館
医務官 井上聖太