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平成27年2月4日
シリアにおいて邦人の身柄拘束事案が発生したことを受けて,日本人がテロ・誘拐等のターゲットになり得ることが改めて認識されました。当館としてこれまで以上に在留邦人の方々の安全に万全を期し,このような事件に巻き込まれることがないよう,イランに在留する邦人の皆様との連携を強化する機会として,1月26日,当館会議室において「安全対策連絡協議会」を実施いたしました。その概要につきまして,以下の通りお知らせいたします。
1 シリアにおける邦人の身柄拘束事案概要及び日本政府の対応について
シリアにおける邦人の身柄拘束事案の概要を説明した後,以下を発言した。
(1)イランとの関係では,21日,日・イラン外相電話会談を実施。ザリーフ外相からISILに対する非難及び日本政府への全面協力をする旨の発言があった。
(2)これまでのところ,ISILとの関係において,イラン国内には治安上の問題は発生していない。
(3)イラン政府及び軍は,イラクとの国境において万全に防御していると発言しており,イラン国境から40kmイラク側に入ったところに設定したレッドラインへのISILの侵入には,厳正に対処すると発表している。
(4)ついては,在留邦人の皆様は自らの安全に万全を期して頂きたい。特に国境地域や近隣国に行かれる際には,今般の事件や安全に関する情報をアップデートしつつ,安全に万全を期していただきたい。
2 現下のイラン治安情勢と安全対策について
(1)イラン国内のテロ組織の動向について
イラン国内では,「ジュンドッラー」や「PJAK」といった,いずれもイラン政府,軍,治安当局を標的としたテロ組織が活動を行ってきた。ジュンドッラーについては,数年前まで当国南東部において活動していたが,現在は活動が認められていない。しかし,一昨年前から同様の思想を引継ぐ「ジェイショルアドル」が活動している。ジェイショルアドルは昨年2月,イラン国境警備隊5人を誘拐した。うち4人は解放されたが,1人を殺害するなど,主にパキスタン国境付近で活動を行っている。PJAKに関しては,かつては活動が盛んであったものの,昨年は,イラン軍と交戦が1件あっただけで,活動が下火である。また,当国北西部の治安当局の活動成果もあり,活動が押さえ込まれている。
(2)デモ情勢について
【2014年】
●ヘジャブの乱れに対する抗議デモ(5月)
●イスラエルのパレスチナ攻撃に対する抗議デモ(7月及び8月)
●イスファハン州で発生した酸かけ事件に対する抗議デモ(10月)
【2015年】
1月19日,20日及び23日の金曜礼拝後,フランス「シャルリー・ヘブド」社による預言者ムハンマドの風刺画掲載に対する抗議デモ(預言者の風刺画掲載については2012年にもテヘラン市内他でデモが発生している。)
(3)2014年のイランにおける誘拐事件の発生状況(これらの被害者は,いずれもイラン人であり,外国人の誘拐事案の発生は確認されていない。)
●児童密売目的誘拐(6月)マルキャズィ州(犯人逮捕)
●少年身代金目的誘拐(7月)テヘラン市内(犯人逮捕)
●少女身代金目的誘拐(10月)東アゼルバイジャン州(犯人は逮捕,被害者は殺害)
(4)安全対策
現在のところ,イラン治安当局は国内の安全を強調しており,テロ組織の活動は国境で阻止し,日本国民を含む外国人が被害にあうことはない旨発言をしている。このような点に鑑みれば,当国に在留する邦人に対し,今すぐに危機があるとは考えていない。しかしながら今回,シリアで発生した事案で,不幸にも日本人が標的となってしまったという非情な事態を再認識し,テロや誘拐などの凶悪事件に巻き込まれないためにも最新の関連情報の入手に努めて欲しい。また,当館においても危険情報を有した場合には積極的に情報発信する。具体的には,不審な人物,状況等に遭遇した場合には速やかに現場から離れるなどの安全対策に心がけ,当国の宗教・習慣を尊重して目立たない服装で,行動に注意して欲しい。なお,2月11日には当国各地において革命記念日に伴う大行進(デモ)が行われるので,デモに近づかないようお願いする。①宗教活動に近づかない,②現地住民との宗教に関する会話を避ける,③関係機関との情報共有について,常に留意する。